誘発脳磁図とは

誘発脳磁図とは

誘発脳磁図とは特定の刺激(体への刺激、音の刺激、視覚的な刺激)を受けた際に、その刺激によって誘発された脳の活動を脳磁図として計測したものです。誘発脳磁図は通常1回だけの刺激では計測が困難ですが、安静にした状態で同じ刺激を繰り返し(数十回から数百回程度)、その結果を加算し平均することによって、よりはっきりとした脳活動として再現することができます。同様の検査で脳波計を用いる誘発電位と比べると、頭蓋骨などの電流の発生部位からの信号を得るまでの間に抵抗による減弱がないため、より正確に脳が活動している部位や強度を測定することができます。

一般に行われることが多い誘発脳磁図検査には体性感覚誘発脳磁図、聴覚誘発脳磁図、視覚誘発脳磁図があり、臨床現場での適応が広がっています。

体性感覚誘発脳磁図

手足などに電気的あるいは機械的な刺激を行い誘発される脳磁図活動をとらえます。体への刺激が正しい部位(体性感覚野)に適切な速さで届いているかどうかを調べることで、体性感覚野そのものや体性感覚野に至る経路の異常の有無を確かめることができます。

聴覚誘発脳磁図

左右の一方もしくは両側耳からの音の刺激により誘発される脳磁図を聴覚誘発脳磁図といいます。音への正常な反応が行えているかどうかを確認することができます。また聴覚誘発脳磁図では左右の脳の側頭葉にある聴覚野の反応を明確に分離して評価することが容易であるため、一側性の異常や左右差の存在も鋭敏に検出することが可能です。

視覚誘発脳磁図

左右の一方もしくは両側眼からの視覚刺激により誘発される脳磁図を視覚誘発脳磁図といいます。脳の後頭葉における視覚野の反応を確認することができます。これにより視覚野そのものや視覚野に至る経路の異常の有無を調べることができます。

各誘発脳磁図に関するより詳しい情報は日本臨床神経生理学会の「ガイドライン」ページから臨床脳磁図検査解析指針(2005年)を参照ください。